レポート・インタビュー

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2018.10.31

レポート「秋かごしま夜会」

懐かしいわらべうたや邦楽、舞、地域伝統芸能など、レトロなホールとかがり火で楽しむ幻想的な宴。

11月11日(土)、鹿児島市中央公民館で「秋かごしま夜会」が開催されました。
このイベントは、「文化薫る地域の魅力づくりプラン」に基づき、市民に日本、そして地域の伝統文化などを身近に感じてもらい、その魅力を味わってもらおうと企画したものです。


ステージに先立ち行われたワークショップでは、参加者の皆さんが手作りのお手玉遊びや、和装と礼法、薩摩琵琶の演奏などを体験しました。

 

「ゆかた着付けと礼法」

参加者は真剣な表情で着付けや礼法を楽しく学んでいました。

 

「お手玉作りとあそび」

自分たちで作ったお手玉を使って、昔ながらの遊びを楽しみました。

 

「薩摩琵琶 体験コーナー」

薩摩琵琶を講師の指導を受けながら弾ける、貴重な機会になりました。

 

 

第一部「かごしまのわらべうた、日本の唱歌」では、わらべうたや昔ながらの遊び、唱歌などが披露されました。

 

「郡山児童クラブ」による、わらべうたやお手玉などの昔ながらの遊び

 

 

「鹿児島市立少年合唱隊」、「鹿児島女子高等学校箏曲部」、「鹿児島大学学友会邦楽部」、「生田流箏曲会」の皆さんによる唱歌。

 

 

そして第二部の「伝統芸能」では、伝統芸能を継承する方々が「神舞」、「雅楽」、「地唄舞」を披露しました。

 

神舞「田の神舞」

舞:山下剛、太鼓:櫻井和利、笛:立元光太郎

 

五穀豊穣を祝い、家内招福を祈願して、笛や太鼓を奏して舞われています。

鹿児島の神楽は、南九州独特の田の神舞が入っています。

 

 

雅楽「陪臚(ばいろ)」 

笙(しょう):櫻井和利 篳篥(ひちりき):鶴田明稔 龍笛(りゅうてき):山下建

 

演奏曲「陪臚」(ばいろ)は天平八年(西暦736年)我が国に伝えられたと言われています。

今回は笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の三管の演奏が披露されました。

 

 

地唄舞「鐘ヶ岬」

舞:花柳二千翔 箏:松山多美子 三絃:西薗真理子 尺八:福田井山

 

能や歌舞伎で有名な「道成寺」(どうじょうじ)を地唄にしたのが、「鐘ケ岬」(かねがみさき)。静かな曲の多い地唄の中では華やかさもある名曲です。

「鐘ケ岬」(かねがみさき)は女の執念の恐ろしさの中に、一途な可愛らしさといった情感が、豊かに盛り込まれています。

 

 

第三部は、「かがり火でみる民族芸能」と題してステージをホールの外に移し、かがり火がゆれる幻想的な雰囲気の中、広木虚無僧踊り保存会による「虚無僧踊り」と山田鉦踊り保存会による「鉦踊り」が披露されました。

 

「広木虚無僧踊り」

http://www.kcic.jp/traditionalarts-map/komusouodori_hiroki

江戸時代末期、幕府の密使が虚無僧姿で潜入したので、農民たちが天秤棒で取り押さえようとしたところ、虚無僧から殺されてしまいました。この出来事を知った住民は非常に悲しみ、次の世代に伝えるために虚無僧踊りを編み出したとされています。

 

かがり火が、勇壮な踊りを引き立てます。

 

「山田鉦踊り」

http://www.kcic.jp/traditionalarts-map/yamada_no_kaneodori

由来は定かではありませんが、第十七代島津義弘公の時代、戦の凱旋(がいせん)祝いに始まったといわれ、毎年、鹿児島の諏訪神社に奉納されました。また盆踊りとして山田町の黒丸神社に奉納し、虫おくり、虫供養、雨乞いの祈願でも踊られたといわれています。

 

秋の夜空に鉦の音が響き渡っていました。

 

出演者たちの伝統芸能への熱い思いを、多くの方々が間近で感じられる一夜となりました。

今後も、伝統芸能の保存・継承活動の活性化につながる取り組みを続けていきます。


取材&写真:かごしま文化情報センター(KCIC)